2011年12月4日日曜日

totorabo[笠井舞] 2011/12/2 Live『バースデー』 @四谷天窓.comfort より




笠井舞。

初めて会ったのは去年の1月、冬の冷たい風が吹く新宿でのことだった。
寒空の下、その日ストリートでギターを弾き語る彼女は、凍えた指が弦で切れ、血が流れていたのに、それでもなお歌い続けてた。
透きとおった優しい歌声、可愛らしい笑顔と、でも、その中に、見える姿とは違う、「魂」を感じた。

それから、何回か、彼女の歌声を街で聴いた。

去年の春頃、彼女の、自殺を考えた人のことを書いたんだという『14インチ/100年』という曲を聴いた時、不覚にも、カメラを持つ手が震えた記憶がある。

歌を、好きで好きでしょうがない。
音楽が、好きで好きでしょうがない。
そんな彼女を見てると、歌や音楽が、詩がもつ無限の可能性を信じたくなる。



何があったのかは知らない。
それを聞くこともしなかった。
過ぎた時間は戻らないから。


12月2日、totoraboこと、笠井舞は、彼女が25歳になったこの夜のライブで、音楽活動を休止した。

「水」は、たとえ流れるところが見当たらないような時も、自然と流れる場所を見つけていく。
人の人生も多分、そんな感じ。ちゃんと、何かに辿り着きながら、また折り返して、たまには休んで、また折り返して。

「意志」というのは、先回りして流れる場所をつくっておく、で、そこに自分を行かせるような感じ。
人の、「人」たる所以は、その「意志」にあるのだが、だけど、ときには、自然の流れを感じてみるのも大事なこと。


ダイジョウブ。

完璧なものなどないのだから、何度も折り返し、折り返し、不完全な「自分」と付き合いながらみんな生きている。そして、「水」のように、ちゃんと丁度いいところに、いつか導いてくれるものさ。

次に会える時は、どんな彼女に、なっているのかな。
ひとまず、この、折り返しとなったライブに立ち会えて光栄でした。


また、彼女に、会えますように。


totorabo[笠井舞]
 http://totorabo.web.fc2.com/
 http://ameblo.jp/totorabo/

2011/12/2 Live『バースデー』 @四谷天窓.comfort より

・14インチ/100年
・迷い草
・かくれんぼ
・臆病者にヘッドフォン